パネ協は、集合住宅の間仕切壁や棚などの各種木質パネルの芯材、床の下地や仕上げ材にその地域から産出される木材の活用を進めています。
また、小中学校等の文教施設や福祉施設の内外装や家具、建具、手すりに加え外構にも地場産材を積極的に活用し、地域と密着した空間づくりや地場産業の振興に努めています。ここでは、その一部をご紹介します。
地場産材活用例/住宅などの場合
使用部位 | 使い方のポイント |
---|---|
1.内装パネル 2.押入れ (ユニット・棚・床) |
・間仕切壁、表装壁、押入れ(ユニット、棚、床)などの各種のパネルの芯材には、地場産材を活用することが可能です。 ・多くのプロジェクトで杉材が用いられており、製材、集成材、LVLなど様々な対応が可能です。 ・内装パネル工法により、安定した品質と強度を実現することが可能です。 |
3.床下地材 4.床仕上材 |
・畳の下地材として地場産杉を使用したすのこ状パネルが使われています。 ・仕上げ材として、地場産杉を熱圧縮して表面強度を高めた無垢フローリングなどが使われています。 |
5.壁仕上材 6.天井仕上材 |
・地場産杉を用いた壁装材、天井板が多く使われています |
7.造作材 | ・押入れの開口部や廻り縁等に、単一造作材、集成材、化粧造作材(単一材を芯材として表面に化粧シートを施したもの)が使われています。 |
8.下地材 | ・天井野縁材、間柱、胴縁等の下地材でも地場産杉が使われています。 |
内装パネルの芯材・造作材に使用
都営住宅での事例
内装パネル(間仕切壁)や押入れ棚板パネルの芯材に多摩産杉材が採用されています。また、居室や玄関には、多摩産杉材の付長押を設けています。
認証材には『多』の刻印が
押されています
地で製材し乾燥され、パネル工場に搬入
パネル工場での製作工程
多摩産材シール
使用部位:間仕切壁パネル芯材
使用部位:押入れ棚板パネル芯材
使用部位:造作材(付長押)
床仕上げ材に使用
床仕上げ材としてのフローリングに熱圧縮した地場産材杉材が使われています。
市営住宅大森団地(滋賀県東近江市)
使用部位:フローリング
使用材:東近江市産杉材
市営住宅大森団地(滋賀県東近江市)
使用部位:フローリング
使用材:東近江市産杉材
造作材に使用
リビングのカウンター・棚板、玄関ベンチに県産の桧や杉材が用いられています。
県営住宅桜井団地(奈良県桜井市)
使用部位:カウンター・棚板
使用材:奈良県産桧・杉材
県営住宅桜井団地(奈良県桜井市)
使用部位:玄関ベンチ
使用材:奈良県産桧・杉材
床の下地材、壁・天井の仕上げ材に使用
県営綾羅木住宅(山口県下関市)では、すのこ状構造のパネルを畳下の下地材・押入れ壁や棚に配し通気性を確保すると同時に、材自体が持つ吸放湿性との相乗効果で快適な居住空間が確保されます。
畳下の床下地材
使用材:山口県産杉材
押入れの壁仕上げ材
使用材:山口県産杉材
天井仕上げ材(羽目板)
使用材:山口県産杉材
地場産材活用例/学校などの場合
使用部位 | 使い方のポイント | 製品名(地場産材対応可) |
---|---|---|
1.家具 | ・地場産ヒノキ、ヒノキ台形集成材を用いた家具が多く使われています。 | ・下足入、ロッカー、収納台、ベンチ |
2.床仕上げ材 | ・地場産杉、ヒノキ、クリ、サクラ、ヒノキ台形集成材を使ったフローリングなどが使われています。 |
・杉の木精(すぎのこだま) ・エアーウォッシュ台形集成材フローリング ・圧密フローリング |
3.壁仕上材 4.天井仕上材 |
・学校間仕切り、トイレブース、腰壁材、壁仕上げ材、天井仕上げ材として、地場産杉など多く使われており、内装制限などの対象となる箇所には不燃木材も使われています。 |
・エコール・F ・W&Sブース ・杉・ヒノキ腰壁 ・NMウッド(内装用不燃木材) ・不燃化粧板 |
5.その他 | ・外部で使える地場産木材として再生複合材にしたルーバー、デッキ材も使われています。 |
・ハーモニアス エアルーバー ・ハーモニアス エアウォール |
家具や壁仕上げ材に使用
市立丈山小学校(愛知県安城市)
使用部位:下足入
使用材:愛知県産桧・杉材
市立丈山小学校(愛知県安城市)
使用部位:壁仕上材(羽目板)
使用材:愛知県産桧・杉材
木製学校間仕切り壁として使用
県立鹿児島工業高校(鹿児島県鹿児島市)
使用部位:木製パーティション(エコール・F)
使用材:認証かごしま杉材
県立鹿児島工業高校(鹿児島県鹿児島市)
使用部位:木製パーティション(エコール・F)
使用材:認証かごしま杉材
造作材に使用
くまっこ保育園(福島県白河郡西郷村)
使用部位:造作材(枠・見切材)
使用材:福島県産桧・杉材
くまっこ保育園(福島県白河郡西郷村)
使用部位:造作材・空調ルーバー
使用材:福島県産桧・杉材
地場産材活用例/その他の施設の場合
壁仕上げ材・造作材に使用
三春町役場庁舎(福島県田村郡三春町)
使用部位:壁仕上げ材(腰壁)
使用材:福島県産桧・杉材
三春町役場庁舎(福島県田村郡三春町)
使用部位:壁仕上げ材(腰壁)
使用材:福島県産桧・杉材
三春町役場庁舎(福島県田村郡三春町)
使用部位:壁仕上げ材(腰壁)
使用材:福島県産桧・杉材
三春町役場庁舎(福島県田村郡三春町)
使用部位:化粧梁
使用材:福島県産桧・杉材
軒天井に使用
本江コミュニティセンター(富山県射水市)
使用部位:軒天井
使用材:国産杉材(NMウッド(不燃木材))
本江コミュニティセンター(富山県射水市)
使用部位:軒天井
使用材:国産杉材(NMウッド(不燃木材))
天井・柱、天井格子・壁ルーバーに使用
県立新居浜病院(愛媛県新居浜市)
使用部位:天井・柱
使用材:県産杉材(大断面集成材)
県立新居浜病院(愛媛県新居浜市)
使用部位:天井格子・壁ルーバー
使用材:県産杉材
地場産材木材納入実績 | |
平成23年度 | 3,687m³ |
平成24年度 | 3,549m³ |
平成25年度 | 4,025m³ |
平成26年度 | 5,226m³ |
平成27年度 | 6,276m³ |
平成28年度 | 3,631m³ |
平成29年度 | 3,482m³ |
平成30年度 | 4,958m³ |
令和元年度 | 4,063m³ |
令和2年度 | 3,123m³ |
令和3年度 | 3,797m³ |
パネ協における2021年度の地場産材活用実績は3,797m³となり、二酸化炭素(CO2)固定量は約2,700 トンとなりました。
2,700トンにおよぶ二酸化炭素(CO2)固定量は、10ha (東京ドーム2.1倍の広さ) の森林が30 年間吸収してきた二酸化炭素(CO2)に相当します。